イネ 褐条病 (Bacterial brown stripe)

病原:Pseudomonas avenae Manns 1909

病徴:箱育苗および畑苗代で発生。幼芽が黄褐色水浸状になって生育は停止し,芯葉が抽出しないまま腐敗枯死する。また,苗は生育が劣り,苗全体がわん曲する。このような苗では根の発育が悪く,2段根になる。病状がすすむと葉鞘は暗褐変し,のちに枯死する。
病勢の伸展が遅い場合には,2,3葉期に達した苗の葉鞘に幅1mm内外の暗褐色水浸状の条斑が現れ,伸びて葉身にも達する。冠水した水田の幼穂形成期のイネでも発生することが確かめられている。

伝染:種子伝染する。葉身,葉鞘で増殖した病原菌が風雨や接触によって出穂後のもみへ伝播される。出芽および緑化期の高温,高湿は発生を助長する。

防除:耕種的防除法として,出芽温度を30度以下にする。種子消毒剤ではスターナ水和剤の浸漬処理,種子粉衣処理,吹き付け処理あるいはカスミン液剤の浸漬処理が効果がある。
育苗箱施薬では,カスミン粒剤の床土混和あるいはカスミン液剤の播種時および出芽期のかん注処理の効果が高い。

参考: 褐条病 - 日本植物病名データベース
     褐条病 - 病害虫・雑草の情報基地

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