イネ 苗立枯細菌病 (Bacterial seedling blight)
病原:Pseudomonas plantarii Azegami et al. 1987
病徴:初期症状は,もみ枯細菌病による苗腐敗症と似ている。第3葉の基部にクロロシスが現れ,ついで第3葉から萎ちょうし始める。罹病苗は赤茶けたようになって枯死するが,もみ枯細菌病のように苗が腐敗することはない。根の生育はきわめて悪い。坪状に発生し,ひどいときには,育苗箱全体の苗が枯死する。
伝染:種子伝染する。病原細菌は葉鞘あるいは根の周辺で生存し,出穂後を侵す。出芽および緑化期の高温ならびに土壌の過湿は発生を助長する。
防除:保菌していない健全籾を用い,塩水選を行った後,種子消毒剤としてキャッチャー水和剤による浸漬処理あるいはスターナ水和剤およびスターナ混和剤の浸漬処理,種子粉衣処理,吹き付け処理のいずれかを行う。育苗期の薬剤は,カスミン粒剤あるいはフタバロン粉剤の床土混和が効果がある。耕種的防除法としては,出芽および緑化,硬化期間中を通じて過湿を避け高温にならないようにする。
[イネ病害 一覧] [有用植物病害診断トップ]
Copyright (c) 2002- NARC