病原:Pantoea ananatis (Serrano 1928) Mergaert, Verdonck & Kersters 1993
(旧学名:Erwinia ananas Serrano 1928, Erwinia herbicola (Lohnis 1911) Dye 1964)
病徴:出穂数日後から,内穎の基部あるいは内外穎の縫合部付近から淡紫褐変し始め,数日後には内穎全体が紫褐変あるいは暗褐変する。外穎も紫褐変してもみ全体が紫褐変することもある。護穎や副護穎,枝梗,果梗などが褐変することはない。 罹病もみの玄米は茶米,死米などの不完全米になるものが多い。
伝染:イネや畦畔の雑草等の表面で腐生生活をしており,風雨によって穂に運ばれ,出穂開花中の穎内に侵入して,内穎褐変を起こす。主要感染時期は開花期。出穂期の降雨は発生を助長する。窒素施用量が多いほど発生が多くなる。 移植期が早いほど,発生が多い。
防除:発生生態に不明な点が多く,有効な耕種的防除策はないが,中肥,穂肥の窒素多用は発生を助長するので,窒素過多にならないように注意する。現状では本病に対し有効な薬剤は無い。
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