イネ 葉しょう褐変病 (Sheath brown rot)

病原:Pseudomonas fuscovaginae Miyajima et al. 1983

病徴:穂ばらみ期以降に発生する。止葉葉鞘に暗褐色水浸状で周縁不鮮明な斑紋を生じ,拡大して暗褐色不正形の大型病斑となり,中心部は灰褐色となる。発病が激しいときには,葉鞘全面が褐変し腐敗する。穂は出すくみ,もみは一部あるいは全面が暗褐変ないし黒褐変する。
病もみの玄米は表面に褐色の斑紋を生じ,激しい場合には全体が褐変し茶米となる。出すくみとなった穂のみごでは,暗褐色水浸状の条斑を生じ,のちに全体を被い,みごは腐敗する。田植直後の苗を侵して,苗腐敗を起こすことがある。

伝染:種もみや被害わらで越冬する。本田の外観健全なイネ体上で腐生的に生活,穂ばらみ期に至って,発病に好適な低温条件にあうと,止葉葉鞘の裏面の気孔や傷口から侵入,増殖して発病にいたる。田植直後に低温にあうと苗が感染して苗腐敗を起こす。 穂ばらみから出穂期にかけての低温が本病の発生には必要条件である。

防除:耕種的防除法としては,夜間潅漑による水温の上昇を図り,分げつ過多にならないよう施肥管理に注意する。防除薬剤は,バクテサイド粉剤あるいはアグリマイシン―100の効果が高い。散布時期は出穂期10日前から5日間隔で3回散布が有効である。

参考: 葉しょう褐変病 - 日本植物病名データベース

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