ナス 褐斑細菌病

病原: Pseudomonas cichorii (Swingle 1925) Stapp 1928

病徴:主に葉と花らいが侵されるが,茎,果実にも発生する。
葉でははじめ2〜5mmの褐色〜黒褐色の不正形の病斑を生じ,次第に融合して大型病斑になる。
病斑にはしばしば同心紋が見られる。 病斑の多い葉は巻いたり,湾曲し,後に落葉することが多い。
花らいでははじめがくの一部にネズミ色の病斑が生じ,後に花らい全体におよぶことが多い。
果梗の部分が侵されることも多く,発病した花らいはほとんどが枯死する。茎では比較的若くて柔らかい枝梢が侵される。被害枝は灰色に腐敗し,茎を取り巻きその上部は枯死する。果実ではへたの部分から発病し,果実に移行して腐敗する。

伝染:病原細菌は土中に生存し,伝染源となる。本病は17〜23度でよく発病する。本病の発生は12月〜3月に限られ,温度管理が不十分なハウスで多発する。20〜25度では12〜18時間葉面の濡れが感染に必要。

防除:低温,多湿を避け,ハウス内の温度管理に十分注意する。発病株の葉上からの潅水は避ける。薬剤は,ストレプトマイシン剤,ダコニール水和剤,マンネブ水和剤(すべて未登録)などが有効との試験例がある。

参考: ナス 褐斑細菌病 - 日本植物病名データベース

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