病原:Erwinia carotovora subsp. carotovora (Jones 1901) Bergey et al. 1923
病徴:茎では収穫後の残存果梗の切口や整枝の傷跡などが水浸状に軟化し,やがて腐敗はそれらの着生節部にまで進展して暗褐色の水浸状病斑を生じ,後にはそこから上位の茎葉は萎ちょう枯死する。
茎のずい部が暗緑色水浸状に軟腐,空胴化しており,悪臭を放つ。
果実では未熟なものに発生し易く,黄白色〜黄褐色で周縁が水浸状の不規則な病斑を生じ,病勢が進むと果実の内容は腐敗消失して外皮を残すだけとなる。被害果は脱落するが,ときには白色に干からびたまま枝上に残る。
伝染:病原菌は土壌伝染および種子伝染を行う。本菌は植物体の傷から侵入し,タバコガの食痕や収穫の整枝時の傷が侵入の門戸となる。高温多湿条件下で発病し,窒素肥料の多用が発病を助長する。
防除:無病種子を用いる。露地栽培ではタバコガの防除,ハウス栽培では施肥,温湿度管理に注意する。薬剤は予防を主とした銅水和剤(塩基性塩化銅)(未登録)の散布は有効であるとの試験例がある。
参考:
トウガラシ ピーマン 軟腐病 - 日本植物病名データベース