イネ ばか苗病

病原: Gibberella fujikuroi (Sawada) Ito

病徴:箱育苗では苗の黄化・徒長で,育苗の中・後期に現れ,罹病苗は葉身・葉鞘が徒長するとともに黄化する。枯死苗の基部やもみのまわりに白色ないし紅色のかびが生え,組織は紫褐変する。
本田で発病すると,罹病イネでは葉鞘・節間が伸びて草丈は異常に高くなり,全身が黄化し,葉の着生角度が大きくなり,横に開いた感じになる。本田初期に発病すると分げつ数は少なくなり,穂ばらみ期頃には枯死する。
枯死株の葉鞘あるいは節部には白色粉状物が一面に付着する。本病の特徴は苗代および本田を通じて,黄化・徒長である。

伝染:ばか苗病菌は乾燥した被害わらや被害もみあるいは汚染もみ上では長期間生存し,これが翌年の第1次伝染源となる。重要な第1次伝染源は汚染種もみである,罹病苗や汚染苗を本田に移植すると,本田で発病する。
本田初期に発病した株の多くは早晩枯死するが,枯死株は出穂1〜2週間前ごろからもっとも多くなる。風雨とくに出穂開花期の風雨はもみの感染をいちじるしく助長する。

防除:種子伝染を防ぐため,塩水選を徹底する。種子消毒剤としては,ベンレートT水和剤,トリフミン乳剤,スポルタック乳剤,ヘルシード水和剤・乳剤,テクリード水和剤の効果が高く,処理方法は,浸漬処理,種子粉衣処理,吹き付け処理がある。
本田で,本病の発生を確認した場合は早期に除去する。 

参考: イネ ばか苗病 - 日本植物病名データベース