病原:Waitea circinata Warcup et Talbot
病徴:出穂期ごろから発生し,葉鞘に長楕円形または紡錘形で,周縁は濃褐色,中央部は淡黄褐色の病斑を生ずる。病斑と健全部との境界は不鮮明で,病斑が古くなると組織内に橙赤色ないし石竹色の菌核が多数形成される。
病斑の中央部は淡黄褐色である点で紋枯病と異なる。菌核は葉鞘組織中に形成され,橙赤色ないし石竹色を呈する。
伝染:第1次伝染源は被害わら,刈り株中の菌糸および菌核である。イネ以外の雑草も第1次伝染源になる。生育最適温度は31度で高く,高気温は発生を助長する。
防除:耕種的防除は,適正な肥培管理を行い,過繁茂を防ぐ。カリ欠乏は発病を助長するので不足しないよう注意する。
薬剤防除は,他の疑似紋枯病と同様でバシタック粉剤,同水和剤,バリダシン粉剤,モンガード粉剤,同水和剤,モンカット粉剤,同水和剤のいずれかを穂ばらみ期〜穂揃期に散布する。
参考:
日本植物病名データベース