オオムギ 株腐病

病原:Ceratobasidium gramineum (Ikata et Matsuura) Oniki, Ogoshi et Araki
病徴:主として葉鞘,稈に発生する。はじめ地際葉鞘部に周辺が暗褐色,中央部が淡褐色〜灰白色の不正形の斑紋を生じ,しだいに拡大または数個の斑紋が癒合して不正形の大型病斑となる。稈も同様の病斑を形成し,病斑が稈全体をとりまくと上部は枯死し,白穂となる。 羅病株は倒伏しやすくなる。収穫期近くに病斑部に暗褐色の菌核を形成するが,脱落しやすい。
伝染:菌核や菌糸が被害植物上または土壌中で越夏し,伝染源となる。感染適温は地温10〜25度で,高温ほど発病が多くなる。上位葉鞘への進展は,17度から始まり25度までは高温ほど良好である。本病は上位葉鞘へはあまり進展せず,稈への侵入力が強い。 早播き,多肥,密植で発生が多く,冬期,温暖で多雨の年に発病が激しい。連作すると発病が多くなる。
防除:地表面にある被害残渣や菌核を土中に埋め込む。早播き,密播を避け,播種前に消石灰を10a当たり100〜150kg施用する。過度な土入れを行わない。 発病の激しいときには,穂ばらみ前頃から,塩基性塩化銅水和剤400〜800倍液,10a当たり150〜200リットルを1〜2回,株元に散布する。

参考: 日本植物病名データベース