病原:Phytophthora nicotianae van Breda de Haan var. nicotianae
病徴:主に果実に発生し,幼果から成熟果まで侵される。
はじめ12〜20mm程度のややへこんだ光沢のない褐色楕円形の病変を生じる。
次第に広がり35〜40mm程度の円形〜楕円形で表面に小じわを伴った褐色病斑となり,かなりへこむ。
古い病斑部から白色綿毛状の菌糸を表面に叢生する。
多湿条件下では表面の菌糸は増加し,発生後7日程度で果実全体を被うようになる。乾燥条件ではかすかな灰白色粉末状のかびを生じる。り病果の多くは腐敗し落下する。幼苗が侵された場合には地際より腐敗して立枯れまたは倒伏する。
伝染:病原菌は土壌伝染する。高温(28度),多湿条件下で発病する。ハウス栽培では潅水過多の場合,露地栽培では7月,8月ころの降雨のひんぱんな時期に多発する。連作,排水不良,密植栽培,窒素質肥料の偏用は発病を助長する。長ナスは弱く丸ナスは強い。
防除:排水,密植に注意し,高温,多湿を避ける。敷わら,ビニールマルチで降雨時の土のはね上がりを防ぐ。罹病果は除去し,収穫後の罹病株は処分する。薬剤はマンネブ剤,ダイホルタン水和剤,銅水和剤(すべて未登録)などが有効であると試験例がある。
参考:
日本植物病名データベース