ニンジン 黒斑病

病原:Alternaria radicina Meier, Drechsler et Eddy
病徴:葉,葉柄,茎,苗,根に発生する。葉,葉柄では赤褐色または褐色で不正形の条斑を生じしおれる。病状が進むと病斑部に黒色でビロード状のかびを生じる。根では黒変しへこむ。苗が侵されると水浸状に軟化してしおれ,淡褐色になり枯死する。
伝染:本病菌は被害残渣および種子について伝染する。種子汚染が著しい場合には苗立枯れを起こす場合がある。本病はニンジンの根部肥大期に入ってから顕著になる。また,貯蔵時に被害根が混入すると被害が拡大する。 感染適温は28度内外であるが,0度の条件でも4〜8週間,12〜18では1週間で感染するので,低温貯蔵の場合も注意を要する。
防除:健全種子を用いるか,キャプタン水和剤,ポリオキシン水和剤で種子消毒を行う。圃場での感染を管理作業および収穫作業時の根の損傷に注意する。貯蔵時には被害根や損傷根を除去し,一度日光にさらしてから低温貯蔵庫に入れる。 薬剤はポリオキシン水和剤または銅水和剤を発病初期から散布する。

参考: 日本植物病名データベース