ホウレンソウ べと病

病原: Peronospora farinosa (Fries) Fries f. sp. spinaciae Byford

病徴:葉に発生し白色から黄色の不鮮明な小型の斑点を形成し,後に淡黄色または淡紅色で不正形の病斑となり,さらには葉の大部分が淡黄色となり枯死して乾燥する。葉裏には紫色から灰紫色で紛状のかびが生じる。発病株は越冬後に萎縮し奇形化する。
伝染:本病菌は被害残渣とともに生存し,気温の上昇とともに分生胞子を形成して空気伝染する。 平均気温8〜18度,曇天,降雨の続く条件で,葉が密生すると多発する。また,散水は発生を助長する。作型では春季と秋季に多発し,夏期はほとんど発生がない。雨よけ覆い栽培での発生は比較的少ない。連作により被害が増加する。
防除:多湿や通風不良は発病を助長するので,間引きを徹底する。 水田転換畑では高うね栽培として,排水に気をつける。また,播種後の切りわらマルチは有効。被害株の早期除去や薬剤による予防散布が重要。本葉2〜3枚が出揃うころから2〜3回5日間隔で銅水和剤,ダコニール水和剤(未登録)の散布が有効との試験成績がある。

参考: 日本植物病名データベース