イチゴ 灰色かび病

病原: Botrytis cinerea Persoon : Fries

病徴:果実,花弁,がく,花梗,葉,葉柄が侵される。 果実では油浸状で淡褐色の小型の斑点から,急速に拡大して全体が軟化し灰色で粉状のかびを密生する。未熟果では淡褐色の病斑を生じ乾腐する。花弁が侵されると黄褐色に変色し,花梗,葉柄では暗褐色の細長い病斑を生じる。葉には大型で褐色の病斑を形成する。

伝染:本病菌は被害残渣とともに越年し,分生胞子で伝染する。発病適温は20度内外で,曇雨天が続くと多発する。 ハウス,トンネル栽培では暖冬と春先の曇雨天が続くと多発することがあり,露地では収穫の始まる5月上旬以降の多雨は発病を助長する。分生胞子の飛散は湿度の高い曇雨天や降雨の持続による空気湿度の上昇が影響する。 また,密植栽培による通風採光の不良や株間湿度の上昇は本病を助長する。

防除:密植を避け,マルチを行い,換気,灌水量に注意し,加湿にならないように注意する。また病果は早期に除去し,伝染源を少なくする。 薬剤はポリオキシンAL水和剤,ロブラール水和剤,スミレックス水和剤,ロニラン水和剤,ダイホルタン水和剤,オーソサイド水和剤などの散布が有効。

参考: イチゴ 灰色かび病 - 日本植物病名データベース