トウガラシ・ピーマン モザイク病

病原:Cucumber mosaic virus (CMV)
病原:Tobacco mosaic virus (TMV)
病原:Broad bean wilt virus (BBWV)
病原:Potato virus Y (PVY)
病原:Potato virus X (PVX)
病原:Chrysanthemum mild mottle virus (CMMV)
病原:Alfalfa mosaic virus (AMV)

病徴:TMV−Tでは,はじめ新葉は黄化し,葉身基部に紫褐色のえそ斑点が現れる。 若い分枝の先端付近にも褐色条斑を生じ,成葉の葉柄,主脈などにもえそ症状が現れる。 激しい場合は新葉から落葉するが,品種によってはその後に生じた新葉には弱いモザイクを生じるだけでである。 果実は黄化,奇形を呈する。
TMV−Pでも新葉が黄化し,モザイク症状を呈する。 果実には黄色の斑紋や条斑を生じて奇形化する。
CMVも新葉が黄化し,葉の凹凸や葉脈緑帯を伴った明瞭なモザイク症状を呈する。葉身や先端部の茎にえそを生じ,激しい場合は落葉する。後に病株は矮化し,葉は小形となって萎縮する。果実も小型化して淡黄色のモザイクや同心輪紋を生じる。

伝染:TMVは種子伝染および土壌伝染を行う。 一度発病すると汁液または接触伝染によってまん延する。
汚染種子では3年間ウイルスの活性が保持され汚染土壌では9カ月後でも伝染の認められた例がある。
TMV−Tに対してはサキガケミドリ,土佐グリーン,ニシキ,エースなどが抵抗性,TMV−Pに対しては現在のところ抵抗性品種は見当たらない。
CMV,BBWV,CMMVおよびPVYはアブラムシ類によって媒介される。CMVは露地栽培では7〜8月に急増する。ハウス栽培では8月〜11月の育苗期から本圃の初期にかけて発生しやすい。 PVXは接触伝染する。

防除:TMVの種子消毒は50度1日間の予備乾熱で,種子の水分含有を3%以下にした後,70度4日間程度の乾熱処理が有効。
薬剤は第三リン酸ソーダ10%液(20分間浸漬後水洗)(未登録)が有効。
また臭化メチル剤(未登録)による土壌くん蒸が有効。
TMV−Tに対しては抵抗性品種を栽培する。CMV,BBWV,CMMVおよびPVYに対してはアブラムシ防除を行う。

参考: トウガラシ モザイク病 - 日本植物病名データベース

ピーマンモザイク病(CMV):葉にモザイクを生じ,株は萎縮する。

ピーマンモザイク病(CMV):葉にモザイクを生じ,葉が糸状に細くなる。

ピーマンモザイク病(TMV):葉にモザイクを生じ,株は萎縮する。

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