2.病害虫・雑草防除
(2)天敵等生物利用による病害虫防除技術
2)ウイルス病防除技術
弱毒ウイルスの利用による作物のウイルス病防除とは,あらかじめ植物体に病原性の弱いウイルスを接種しておき,圃場での野生の強毒ウイルスの感染を防ぐ方法である。これは一つのウイルスに感染した植物は同じウイルスあるいは同じ系統には再感染しないというウイルス相互間の干渉作用を利用している。
ア.これまでの弱毒ウイルス作出および利用の経過
大島ら(1965)によりHolmes(1934)の方法に準じて作出されたトマトのモザイク病の主要病原ウイルスであるTMVトマト系統の弱毒ウイルスがわが国で初めて作出された弱毒ウイルスである。強毒株TMV-Lを接種したトマトの茎を14日間35℃で熱処理し,Nicotiana glutinosa を用いた単一局部病斑分離法により病徴の弱いL11が得られている。L11はトマトに軽い病徴を現すだけで強毒株Lに対して干渉効果が高く,顕著な防除効果を示したが,初期生育を若干遅らせたり,時に強いモザイク症状を生じるため,さらに選抜が行われ,弱毒性の安定した弱毒株L11Aが作出された。L11Aは強毒のTMVトマト系統に対して高い干渉効果を示し,トマトのモザイク病防除に広く各県で利用されてきた。一方,TMV抵抗性遺伝子のTmをもつTMV抵抗性品種の普及にともない,これにモザイク病を起こすTMVのトマト系統が現れた。これら品種に対してL11Aは増殖が悪く,強い干渉効果を示さないため,抵抗性因子TmをホモにもつTMV抵抗性品種(GCR237) 上でL11Aを4回継代接種し,Tmをもつ品種で利用可能なL11A237 が選抜された。
ピーマンではTMV抵抗性品種が早くから育成されていたが,1978年頃からこれを侵すTMV-P(トウガラシ系統)が発生し,L11Aが干渉効果がないため,同様の熱処理により,TMV-Pから弱毒ウイルス Pa18 およびC-1421が作出された。これらはピーマンの一部の品種でごく軽い斑紋を現すが,いずれもTMV-Pに対して高い干渉効果を示し,果実のモザイク症状の発生を抑え,収量,品質の低下を回避し,上物果実率が増加した。一方,一部地域で高温時にモザイク症状を現わすなどの例があり,更に改良が進められている。
マスクメロンのモザイク病の病原ウイルスであるCGMMVの場合,熱処理(40℃,25日),亜硝酸処理,ウイルスRNAの紫外線照射(UV)処理の併用およびセンニチコウを用いた単一局部病斑分離法により弱毒株が選抜され,SH33bと名付けられている。CGMMVによるモザイク病の常発温室において慣行栽培条件下での自然感染が調べられ,SH33b接種マスクメロンでは生育が若干抑制されることがあるが悪影響もなく強毒株によるモザイク症状,玉エソの発生を抑え,顕著な防除効果があることが明らかとなっている。
トマトのモザイク病及び条斑病の病原ウイルスの一つであるキュウリモザイクウイルス(CMV)の弱毒株は病徴の軽減に関与するサテライトRNAをCMVの軽症株に置換することにより得られている(79)。 これらはCMVの強毒株及び強毒のサテライトRNAに対して干渉効果を示し,圃場試験においても防除効果が高い。また,ホウレンソウから分離されたCMV-SRは多くの植物で病徴が軽く,トマトに病徴を現さないことから弱毒株として利用が試みられた。SRは強毒株に対して干渉効果を示した。さらにCMVの増殖に必要なRNAの3成分のうち一成分(RNA3)を他の分離株のものと置換することにより干渉効果を高めたSROが得られている。
カンキツのCTVの弱毒ウイルスでは,主に圃場内の外観健全株から発見された自然感染の弱毒株が弱毒ウイルスとして利用されている。これらはブラジルにおいて早くから研究されており,CTVには弱毒株が存在し,その感染樹は強毒株に対して干渉効果を示すことが報告された(4)。そのほか,オーストラリア,インド,アメリカでも圃場内の自然感染株から弱毒株が分離され,強毒株に対して長期間高い干渉効果が認められており,弱毒ウイルスの高い実用性が明らかになっている。
わが国においても1961年にハッサク萎縮病がCTVにより引き起こされることが明らかにされた。弱毒ウイルスを求めて無病樹探索調査が行われ,推定樹齢60年以上の外観健全のカラタチ台ハッサクが1樹発見された。この軽症母樹(HM-55) が強毒株に対して干渉効果があることが明らかにされ,ハッサクで弱毒ウイルスHM-55 として利用されている。この樹はCTV弱毒系とシトラスベインエネーション(CVE,一般的にはCVEVとなっているが,戻し接種による病徴再現に成功していないのでここではCVEとする)に感染していることが明らかにされている。CVEもCTV強毒株の感染阻止に有効であるという報告があり,CTV弱毒株とあわせて継続して効果試験が行われている。また,カンキツの種類,品種や二次感染する強毒株により弱毒ウイルスの効果が異なることから,種類,品種ごとに適した弱毒ウイルスの選抜が進められている。
一方,人為的に弱毒株を作出する試みも行われており(16), 強毒のCTV-SYを保毒する森田ネーブルの鉢植え苗木を昼間45℃,夜間35℃(各12時間)で熱処理後,メキシカンライム実生苗に接木接種し,その反応から弱毒株が選抜されている。
以上の経過についてはこれまでもいくつか総括的なとりまとめがなされている(21,22,25,76)。
イ.新たな弱毒ウイルスの開発および利用の試み
(ア)タバコモザイクウイルス(TMV)の弱毒ウイルス
従来,TMVの弱毒ウイルスL11Aは抵抗性因子をもつトマトでは増殖が不十分で干渉効果が期待されないとされてきたが,TMV抵抗性因子型の異なるトマト品種へのTMV-L11Aの適用が試験された。抵抗性因子Tm/Tmをもつ品種に用いた場合は干渉効果はないが,抵抗性因子Tm/+をもつ抵抗性品種では優れた干渉効果を示すものがあり,高い防除効果が認められ,その実用性が再認識されている(6,20)。一方,トマト系統(TMV-L)の強毒株で見られるように(1,46),L111Aを接種したTm-2/+あるいはTm-2a/+をもつ品種では萎縮や激しいえそを生じるため(6,20),使用上注意を要する。
大分県ではTMV-Pによるモザイク病に対してPa18やC-1421のような従来の弱毒ウイルスを使用した場合には,総収量における減収が大きく,一部でモザイク果が比較的高率で生じることから新たに弱毒株の選抜が進められた。ピーマン栽培地域において無病徴または軽微な症状を示すピーマンからTMV-Pを回収し,Nicotiana glutinosa を用いた単一局部病斑分離法により,弱毒ウイルスTPO-2-19 が得られている。TPO-2-19 接種ピーマンでは初期の生育が遅れるが,定植後は新葉がやや黄化するのみで,2~3カ月後には無接種の健全株と同様の生育を示すようになる。強毒株接種による影響を抑制し,減収の抑制効果が認められている(3)。
ピーマンにTMV-Pの弱毒ウイルスを接種した場合に収量の低下が問題になることがあるが,これは栽培中の不良条件の影響を受けやすいためであり,育苗中の潅水,本圃の施肥量,本圃の潅水および収穫間隔などの周到な栽培管理を心がけ,不良条件を与えないことにより,弱毒株無接種ピーマンと同等の生育,収量が得られている(64)。
近年,ウイルスの弱毒化の遺伝子レベルでの解析が進みつつあり,すでにTMVの弱毒ウイルスL11Aは全遺伝子構造が決定され,弱毒性に関与する遺伝子も明らかになっている。さらにTMVでは3’非翻訳領域を一部欠失変異させ,人工変異の弱毒株が作出されており(47,69),新たな弱毒ウイルス作出法として注目される。
(イ)キュウリモザイクウイルス(CMV)の弱毒ウイルス
サテライトRNAを利用したCMVの弱毒ウイルスCMV-P(No.7)+(fl)RNA5が作出されているが,当初作出された弱毒株が栽培後期に時としてトマトに軽いえそ症状を発現する場合があることから,サテライトRNA塩基配列の比較およびトマトにおける症状からより安定な弱毒ウイルスCMV-P(No.7)+(55-1)RNA5が作出され(80,81),これらを用い圃場試験においてCMVおよびそのえそ性サテライトRNAに起因するトマトのモザイク病および条斑病に対して高い防除効果が再確認されている(14,15,65)。 一方,CMVの弱毒ウイルスのSROにサテライトRNAを組み合わせ混合接種し,トマトモザイク病の圃場における防除試験が行われているが,えそ症状の発生は抑制されたが,軽いモザイク症状は逆に比較的高率に認められており(57,59),サテライトRNA利用に当たってはCMVとの組み合わせを考慮する必要があるかもしれない。同様にサテライトRNAを利用した弱毒ウイルスとしてKO2およびNDM-1が圃場から分離され弱毒ウイルスとして利用されている。NDM-1はKO2よりトマトでの病徴がより軽微で,トマトへの影響も少なく,CMVによるえそやモザイク症状に対して顕著な防除効果が認めらている(53,54,55,58,59)。 また,これらの弱毒CMVでサテライトRNAを安定的に供給するためのシステムとして in vitro での転写系の利用の研究が行われ有効性が認められている(41,42)。
CMVによるキュウリモザイク病防除の弱毒ウイルスとして,圃場において無病徴のキュウリからCMVを分離し,Chenopodium quinoaを用いた単一局部病斑分離によりCMVの弱毒株深4-4と,CMV強毒株のウイルス核酸をUV処理することにより弱毒株KU12(当初の大U12)が得られている。両株ともに強毒株に対する干渉効果が高く,発病した場合にも発病時期が遅れたり,発病程度が軽くなる。キュウリでは健全株と同等の生育を示し,接種による影響はない。深4-4 はキュウリには無病徴であるがマメ類,トマト,ホウレンソウなどに病徴を生じる。KU12は多くの植物に接種葉のみに感染し,トマト,キュウリには無病徴で全身感染し,Nicotiana glutinosa, ペチュニアに病徴を現す(28,61)。
メロンの茎にCMVの強毒株を接種して,25℃で2日間,35℃で18日間処理後,C.quinoaを用い単一局部病斑分離法によりSH208 が得られている(70)。 本葉第一葉出葉期の子葉に弱毒ウイルスを接種したメロン(アールスクイーン)は,定植10日後に強毒ウイルスを汁液接種した場合には干渉効果が不十分であったが,定植20日後では十分な干渉効果を示した。また,定植10日後に暴露して,自然感染の影響を調べたところ,弱毒ウイルス接種メロンでは高い防除効果が認められ,子づるに弱毒株に由来するごく軽微な退緑斑点がみられるのみであった(77)。
ピーマン用の弱毒ウイルスとして,CMVダイズ萎縮系のRNA1+2とキュウリの弱毒ウイルスとして選抜されたCMV深4-4のRNA3を組み合わせた組み換え株が作出された。この弱毒ウイルスG1はピーマンに無病徴か軽いモザイクを生じるのみでトマトにも無病徴であった(2)。G1からサテライトRNAを除去したG1-①,さらにUV処理によりG1-①bが選抜され,何れも強毒株に対して高い干渉効果を示している。また,強毒株による減収を顕著に抑制した(3)。
伊豆大島では特産切花のブーバルジアにCMVによるモザイク病が発生して問題となっているが,弱毒ウイルスCMV-SROおよびSRK5)が無病徴で全身感染し,このうち,SROの干渉効果は高く,SRKに比べても顕著である。生育や収量に与える影響もなく,両株とも接種4年後でも感染しており,ブーバルジアモザイク病防除への有効性が認められた(51)。
なお,CMV弱毒ウイルスのトマトへの大量接種法も検討されており,噴霧接種法(60,82),噴霧ローラー法(52)が実用的方法として使用可能である。
(ウ)カボチャモザイクウイルス(WMV-2)
WMV-2を部分純化後,UV処理(9分,1回),亜硝酸処理,紫外線処理(15分,1回)と C. quinoaを用いた単一局部病斑分離法の併用により,弱毒株WI-9が作出された。このWI-9は汁液接種により11種17品種のウリ類のうちカボチャ類とスイカの上葉に軽い退緑斑点を生じるのみで,それらも後には不明瞭となる。温室あるいは網室において,カボチャ,キュウリ,メロン,スイカを用いた試験でも強毒株に対して干渉効果を示した(23,24)。
上記の方法で作出されたWMV-2の弱毒株WI-9およびWⅡ-5を用い,ユウガオにおける有効性が調べられた。WMV-2の強毒株に対して高い干渉効果が認められ,健全区に比べ,生育,収量において若干劣るが,強毒株接種区のような著しい生育の抑制や収量の低下は認められなかった(44)。
(エ)ズッキーニ黄斑モザイクウイルス(ZYMV)
ZYMVの弱毒ウイルス作出に当たっては,カボチャからの分離株を用い,Chenopodium quinoaによる単一局部病斑分離を2回行い,ウリ類での病徴が軽く干渉効果の高い弱毒株2S142a6 が得られている(7,26)。 また 2S142a6はこれまでの試験でアブラムシを用いた伝搬試験では伝搬されないことから,アブラムシ伝搬性がかなり低いか,しないと考えられている。野外での防除効果試験の結果,カボチャの露地栽培に適した時期(10月定植)に行った試験では,無接種区のカボチャ(えびす)で定植後4週間目にはモザイク病の発生率が 100%に達し,収穫果ではコブを生じたものが多く,弱毒株 2S142a6接種区では定植後5週間目までは強毒ウイルスによるモザイク病の発生は見られず,コブ果率も低い。弱毒株接種区では無接種区に比べ,生育もよく,収量,商品果率ともに顕著な差があり,モザイク病の防除およびコブ果の発生抑制に効果が認められた(8,9,10)。
(オ)キュウリ緑斑モザイクウイルス(CGMMV)
ユウガオから分離されたCGMMVをもとに,熱処理2回,抽出したウイルス核酸のUV処理(10秒),さらに熱処理1回,単一局部病斑分離法を繰り返してユウガオに極く軽い退緑斑点だけを生じるGA30-31 が得られた。GA30-31 は6種16品種のウリ科植物への接種試験で,スイカの2品種に軽いモザイクが認められたのみで全般的に無病徴であり,ユウガオにおいて強毒株に対して高い干渉効果を示した(43)。また,GA30-31 をさらに亜硝酸処理,熱処理を行いNo.12が選抜されている(49)。
マスクメロンのCGMMV防除用に作出された弱毒株SH33b を用いて,CGMMVスイカ系によるスイカ緑斑モザイク病に対する弱毒ウイルスの防除効果および影響について調べられたが,干渉効果は高いものの,顕著な草丈の抑制,果実の小玉化が認められ,実用化にはさらに植物体への影響を軽減する必要がある(78)。
(カ)野菜類における弱毒ウイルスの複合利用
作物には一般的に2つ以上のウイルスが重複感染していることが多く,弱毒ウイルスにより十分な防除効果をあげるにはそれぞれの弱毒株の単独接種ではなく,数種の弱毒ウイルスの複合利用が求められ,それらに関連した研究が行われている。
ピーマンのモザイク病防除のために弱毒ウイルスのTPO-2-19 (TMV-P弱毒株)およびG1-①(CMV弱毒株)のピーマンへの複合利用が試みられているが,単独接種の場合と異なり,病徴がやや強まり,変形果が生じることがあるため,それぞれの弱毒ウイルスをさらに改良するか,別の組み合わせを検討する必要がある(3)。
ユウガオでは2種の弱毒ウイルスの No.12(CGMMV弱毒株)とWⅡ-5(WMV-2弱毒株)を同時に用いて,ユウガオモザイク病防除の試験が行われている。複合弱毒株接種区では,無処理区に比べつるの伸長が若干抑制されたのみであり,収量は無処理区を 100とすると,複合弱毒株接種区は96,複合弱毒株接種後にそれらの強毒株を二次接種した区は87,複合強毒株接種区は71であった。ユウガオの生育,収量等から高い干渉効果を有することが明らかとなった(45,49)。
カボチャ台木接木キュウリの萎ちょう症が発生して問題となっているが(17,18,19,27),CMVとZYMVまたはパパイア輪点ウイルス-W系統(PRSV-W)の混合感染により特に激しい萎ちょうが生じ,このうちCMVとZYMVの混合感染の頻度が高く,症状が激しい(19)。
これらの防除に弱毒ウイルスの利用が検討されている。CMV弱毒株深4-4あるいはKU12の単独接種では萎ちょうの発生を抑制できないが,ZYMV弱毒株2S142a6 の単独接種あるいはCMV弱毒株との複合接種で萎ちょう症の発生抑制効果が認められた。弱毒株複合接種キュウリでは葉に弱毒株に起因する退緑斑点が現れ草勢が低下したことから,実用化には一層の弱毒化が必要である(61,62)。
同様な複合接種による試験がキュウリを用いて行われている。WMV-2の弱毒株としてWI-9,ZYMVの弱毒株として2S142a6の病原性を低温処理により更に弱めたLT11-Bpl,CMVの弱毒株として深4-4と低温処理で得られた36alの混合感染植物を低温処理および単病斑分離して得られたより病徴の弱い弱毒株zu6 が用られた。zu6は葉には極く軽いモザイク症状を現し, LT11-Bplは接種後40~50日経過すると葉に軽い病徴を現し始め,以後モザイク症状がやや明瞭となる。混合接種したキュウリでは,それぞれの弱毒ウイルス単独接種では見られない軽い黄斑モザイクが現れ,生育は明らかに抑制されたが果実には相乗的な病徴は認められなかった。現地の圃場試験において萎ちょう症場の発生を抑え,高い干渉効果を示した。また,農家圃場の市場出荷量が無接種区に比べ約40%上回った。ZYMVとWMV-2の感染を抑えたが,CMVに対する干渉効果は不十分であった(37,39,40)。
(キ)ダイズモザイクウイルス(SMV)
ダイズモザイクウイルスのA系統(SMV-A)に罹病したダイズ「新丹波黒」の茎葉を15℃で14日間処理後,処理葉をダイズ「白豆」に接種し,生じた単一局部病斑を「新丹波黒」に接種し選抜の結果,軽微なモザイクのみを生じる弱毒株Aa15-M1が得られている(31,36)。 本分離株に全身感染したダイズ「十勝長葉」,「刈羽滝谷28号」でも極く軽微なモザイクのみを示した(31)。 圃場試験においてこの弱毒株接種区では弱毒株の病徴と思われる軽いモザイク症状が現れたものの,強毒株の病徴の巻葉,縮葉症状は10%以下に抑えられた(32,33)。種子伝染率も無接種区に比べかなり低率であった。さらに,SMV-Aの罹病茎葉を30日間処理して弱毒株Aa15-M2が得られているが(33,36),圃場試験でこの弱毒株はAa15-M1とは異なり,接種後に現れる軽いモザイク症状が,開花期頃から見られなくなり,収量もAa15-M1接種区を上回った(34)。弱毒株利用により,採取圃生産種子での強毒SMVの種子伝染率が低下し,それを使用した地区ではSMVの発生率が大幅に低下した(35,38)。なお,「新丹波黒」はSMVの5系統(A,B,C,D,E)全てに感受性であるが,いずれに対しても干渉効果を示す(36)。
SMVの弱毒株作出法として亜硝酸処理も有効で,0.5M亜硝酸処理(pH6.0,20分間)後,インゲン「Pinto U1 III」に接種し,生じた単一局部病斑をダイズに接種し,無病徴あるいは病徴の軽い株が得られる(48)。こうして得られた弱毒株と自然界から分離した弱毒株をそれぞれダイズに接種し,圃場での栽培による選抜,インゲンでの単一局部病斑分離を繰り返し,最も病原力の弱いB系統(SMV-B)の弱毒株M16(原株は自然界から分離の弱毒株)が得られた(11,12)。M16はダイズ品種の「農林4号」,「大袖振」,「鶴の子」,「中生光黒」,「かおり」の葉に初め軽微なモザイクを生じ,後に無症状ないし軽微な縮葉症状を生じるが生育と収量には影響なく,褐斑粒の発生も無ないしごく少数である。一方,「サッポロミドリ」には縮葉症状を生じ生育と収量が抑制され,「奥原1号」では生育と収量は抑制されないが,褐斑粒を生じる(11,12)。M16を接種した「鶴の子」では,A~Eのいずれの系統の強毒株を接種しても,高い干渉効果を有する(11,13)。また,圃場における自然感染に対して高い防除効果が認められている。更に,弱毒株の保存方法,スプレーガンを用いた効率的接種方法も検討されている(13)。
(ク)ビートえそ性葉脈黄化ウイルス(BNYVV)
BNYVVからは通常4~5種類のRNA(RNA-1~5) が検出され,RNA-3が病原性に関与することが知られている(71,72)。このRNA-3は汁液による機械的接種を繰り返すと,RNAの一部に欠失を生じる(29,50)。また,欠失したRNAをもつ分離株を正常の野生型と混合接種すると常に短いサイズ(欠失)が優先して増殖する(29)。 これらの性質を利用して作出されたRNA-3の欠失変異を含む弱毒ウイルスC型は,圃場試験において無接種区より高い防除効果が認められた。また,根のRNAを検定した結果,正常のRNA-3の侵入,増植を明らかに阻止していた。BNYVV RNA-3 の内部欠失遺伝子が正常のRNA-3に対して干渉効果することが明らかになり,弱毒ウイルスとしての利用の可能性が示されている(73,74)。
(ケ)カンキツトリステザウイルス(CTV)
カンキツの種類ごとに有効な弱毒ウイルスが異なると考えられることから,それぞれに有効性の高い弱毒株の探索,選抜が行われている。
徳島県ではユズ,ハッサク及びウンシュウミカンが保毒する弱毒株をウイルスフリーのカラタチ台ユズ及びウンシュウミカン苗に接木接種して,圃場における自然感染が調べられた。定植12,16年後でもステムピッティングの発現の調査からユズ由来の弱毒株接種のユズのみが干渉効果があり,ウンシュウミカンの場合も同様で定植13年後のライム反応からウンシュウミカン由来の弱毒株接種ウンシュウミカンのみが高い干渉効果を示した(75)。
ネーブルオレンジへの弱毒ウイルスを用いた防除試験が行われている。カンキツから分離された弱毒株のうち有望な9分離株を用い,森田オレンジに接木接種し,その後,1981~1983年にミカンクロアブラムシを用い強毒のCTV-SY(シードリングイエローズ系統)を接種し,1989年調査を行っている。弱毒株M15を保毒するサワーオレンジおよび弱毒株M16保毒の興津17号(ヒュウガナツ×福原オレンジ)からそれぞれ,ミカンクロアブラムシを用いて分離されたM15AとM16Aを接種した森田ネーブルは樹勢がよくステムピティングの発現をよく抑えている(30)。また,森田ネーブルと吉田ネーブルに弱毒株の No.1605(CVEのみに感染)とNo.145(CTV,CVEともに感染せず,未知因子に感染)を接木接種した2年後,圃場に定植したところ,定植6年後に対照の弱毒株無接種樹では激しいステムピッティングを生じ,樹勢が低下したが,No.1605およびNo.145接種樹ではステムピッティングも軽く,生育も良好であった。吉田ネーブルの場合はNo.145が有効であった(30)。
愛媛県では宮内イヨにおけるCTVに起因するかいよう虎斑病(ODL)およびステムピッティング病の防除のために弱毒ウイルス利用の試験が行われている。CVE(HM-55より分離されたもの), KSP-12(川野ナツミカンより分離した弱毒CTV),KM-145(=No.145), VSP-M(バレンシアオレンジより分離したCVEを保毒する弱毒CTV)を用い,その効果が検討された。宮内イヨに弱毒ウイルスを接種し,後に強毒CTV-SPを接木接種した場合はいずれも干渉効果は見られなかったが,ミカンクロアブラムシで二次接種した場合にはいずれも干渉効果があり,KM-145 とVSP-Mが特に優れていた。圃場に定植し,自然感染に対する発病防止効果が調べられ,定植4年後ではODL発病防止についてはいずれも優れたが,ステムピッティング発生については差があり,KM-145>VSP-M≧KSP-12 の順に抑制効果が認められ,CVEでは効果がやや劣った(66)。
グレープフルーツ苗を用い上記弱毒ウイルスを接種し,ミカンクロアブラムシで強毒CTVを二次接種した場合もKM-145,VSP-M,KSP-12 の順に干渉効果が優れ,CVEはかなり劣った(66)。 熱処理によりCTV弱毒株の作出が検討され,35℃50日,37.5℃10日および15日,40℃ 5日および10日処理で弱毒株が得られた(67)。 この熱処理で作出したCTV弱毒株(ME37C,ME35C)を同様に干渉効果を調べたところ,ME37Cは対照としたKSP-12を凌ぐ干渉効果を示し,ME35CはKSP-12よりやや劣った。ワシントンネーブルに接種し,屋外コンクリートポットで自然感染条件下で干渉効果が検討されているが,3年経過後でもME37Cを接種したものではステムピッティングは全く形成されておらず,強い干渉効果があるものと期待されている(68)。
和歌山県では清見に弱毒株の M-8,M-16,No.145,UWVE-1(和歌山県のユズから分離)を接種し,圃場に定植しステムピッティング病の発病を見ているが,ウイルスフリーの弱毒株無接種樹では定植後4年目から発病しはじめ,7年目で全株発病したが,No.145あるいはUWVE-1接種の清見ではステムピッティングの発生が軽微で干渉効果が保たれていた(56)。
様々なウイルスと作物の組み合わせで弱毒ウイルスの作出と防除の研究が蓄積されつつあるが,更に実用的な弱毒ウイルスの複合利用に向けて,植物に与える影響のより少ない弱毒ウイルスへの改良が望まれる。
(果樹試験場盛岡支場 吉田幸二)
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