Ⅱ 環境保全型農業技術

2.病害虫・雑草防除

(2)天敵等生物利用による病害虫防除技術

3)害虫防除技術

エ.線虫利用

 生物的防除における天敵の利用は大きく農薬的利用と放飼に分けられる。農薬的利用では、天敵に殺虫活性の強さ、寄主範囲の広さ、効果の安定性、施用の簡便性がなければ普及は難しい。また、商業べースで天敵を供給するために大量培養技術や生産された天敵の長期保存技術が不可欠である(82)。いくつかの未解決の問題は残るが、スタイナーネマ属(Steinernema)およびヘテロラブディティス属(Heterorhabditis)の2属の線虫は、農薬的利用の条件を比較的良く満たした生物防除資材である(26)。他にウンカ類に寄生するウンカシヘンチュウ(9)やマツノマダラカミキリの生殖器に寄生するContortylenchus genitalicola(54)も潜在的生物防除資材として注目されている。この主題に関し「文献解題No.15」(64)に抄録された文献(1987年以前および1988年の一部)はここでは取り上げていない。

(ア)昆虫病原性線虫

 Steinernema属およびHeterorhabditis属の2属の線虫には“昆虫寄生性線虫”の呼び方が慣用されている(17)が、自らの腸内に保持した共生細菌を寄主昆虫の血体腔内に持ち込み、寄主を共生細菌による敗血症で殺すため“昆虫病原性線虫”とも呼ばれる(17)。昆虫病原性線虫の研究は佐賀大学を中心とする文部省補助研究プロジェクトチームにより1984年から9年間継続され、その成果は3冊の成果報告書として刊行された。1993年にはSteinernema carpocapsae感染態三期幼虫を有効成分とする製剤が農薬登録され、我が国も昆虫病原性線虫の実用化段階に入った(39)。ところで、この群は分類学的に未熟なため、種名が頻繁に変更されてきた、残念ながら、ここで抄録した期間内の1989年にも次の変更があった:①S.feltiae(DD-136、Mexican、All等の系統がある)の学名が S.carpocapsaeに変更され、②代わって、S.bibionisと呼ばれた線虫の学名が S.feltiaeに変更された。従って、ここでは1989年以前と1990年以降の異なった学名の線虫の同一性を保証する必要上、1989年以前の文献の古い学名も新しい学名で置き換えて紹介する。なお、S.carpocapsaeをSc、S.feltiae をSf、S.glaseriをSg、S.kushidai(クシダネマ)をSk、H.heliothidisをHh、感染態三期幼虫をIJと略称する。研究の概要は多数の総説(2,13,18,19,24,27,58,67,68,73,74,76,80)でも紹介されている。

 昆虫病原性線虫の施用試験対象は茎葉部害虫、穿孔性害虫、土壌害虫に及んでいる(16,58)。海外の試験例では、茎葉害虫に対する施用試験で効果の振幅が大きい傾向があるものの、穿孔性害虫や土壌害虫に対しては比較的安定した効果が得られている(58)。なお、海外の動向は、標的を土壌害虫へ絞る方向にあるという(24)。

 茎葉部害虫:昆虫病原性線虫は乾燥、紫外線、高温により急速に死滅する。したがって、Scの茎葉部害虫に対する野外施用試験で100%の殺虫活性が得られるのは、気温25℃~26℃、無風、夕方遅くの散布、湿度80%以上の条件が満たされた場合に限られる(19)。このため、様々な保護剤の研究が行われているが決定的なものはない(82)。散布試験で乾燥防止のため混用される脂肪酸と蔗糖のエステルは展着効果があり、早く殺し(33)、死亡虫体内の線虫数も多い(14)ため、一応は有効である。他に、乾燥防止の工夫に圃場における散布直後の作物のラブシートによる被覆(36)、温室おける線虫散布前の散水とハウスの密閉(36)があり、殺虫率は20~40%上昇する。Sc散布後、高湿度を9時間保てば20℃~30℃の範囲なら100%の感染率が得られる(34,36)。室内殺虫試験ではScの各系統がアゲハ(33)、クワゴマダラビトリ(33)、ミカンマルハキバガ(33)、チャノコカクモンハマキ(33)、クワノメイガ(98)、モンシロドクガ(98)、クワコ(98)、アメリカシロヒトリ(98)、クワエダシャクトリ(98)に対し100%の殺虫効果を示している。Sfもクワゴマダラヒトリ、ミカンマルハキバガ、チャノコカクモンハマキを100%殺虫するが(33)、ミノガ、クスサンに対する殺虫率は100%に至らなかった(69)。Hhはクワゴマダラヒトリ、ミカンマルハキバガ、チャノコカクモンハマキに対し100%の殺虫効果を示した(33)。一方、Sgのアゲハ、クワゴマダラヒトリ、ミカンマルハキバガ、チャノコカクモンハマキに対する殺虫率は低い(33)。野外散布試験では、温湿度条件は異なるが、散布濃度3×10^3IJ/ml(Sc、カンキツのアゲハ幼虫(33))、5×10^3IJ/ml(Sc及びSf、ウラジロエノキのクワゴマダラビトリ若齢幼虫(33,62))、9×10^3IJ/ml(ナス、ハクサイ、イチゴのハスモンヨトウ幼虫(36))、5×10^3IJ/ml(キャベツのモンシロチョウ幼虫(36))で80%~100%の殺虫率が得られている。しかし、ウンシュウのミカンマルハキバガ幼虫に対する12×10^4IJ/mlの散布(33)、キャベツのコナガに対するScの6,250IJ/ml散布(12)、同5×10^3IJ/ml散布(36)は殆ど効果を示さなかった。

 穿孔性害虫:樹木などの幹内部に食入する害虫には農薬が届き難く、一般に防除は困難である(2)が、昆虫病原性線虫は寄主を探索して感染するため高い殺虫効率が期待される(58)。穿孔性害虫の坑道内は紫外線を免れ、湿度が比較的高いため、線虫の生存にも都合がよい(58)。穿孔性害虫を対象としたSc散布で障害となるのは低温である(68)。マツノマダラカミキリを対象としたScの野外散布試験では、気温12℃以上の600×10^4IJ/㎡散布(93)または15℃以上の散布(68,72)なら比較的良好な成績が得られている。シイタケホダ木の害虫であるハラアカコブカミキリを対象としたSc散布では、300×10^4IJ/㎡の2回処理が有効(71)で、穿孔性害虫の中では実用化対象に最も近いと言われている(66,68,71)。他にリンゴの幹に食入したゴマダラカミキリに施用したScの殺虫効果が確認されている(1)。しかし、スギノザイタマバエに対するScの200×10^4IJ/㎡処理では施用効果が認められなかった(70)。穿孔性害虫の場合も乾燥防止策をとれば高い殺虫効果が得られている。Scを培養したふすま牛乳培地の被害部への塗布(1)、処理後の害虫食入材の簀巻き被覆(71)、水を含んだウレタンスポンジによる被覆(98)等の処理では高い殺虫効果が得られた。

室内殺虫試験では、スギカミキリ成虫(68,69)、クワカミキリ成虫(98)、トラフカミキリ成虫(98)、キボシカミキリ幼虫・成虫(98)に対するSc処理で100%の殺虫率が得られたが、マンゴーに寄生するカミキリ(Rhytidodera simulans)幼虫のSc感受性は鈍かった(51)。Skはマツノマダラカミキリに対して効果を示さなかった(59)。

 土壌害虫:昆虫病原性線虫は本来土壌線虫であるため、土壌害虫が標的として最も適している(82)が、土壌害虫には線虫抵抗性があり、線虫密度は土着土壌生物との競合(47)、各種の天敵による攻撃(13)で密度が減少するため常に有効とは限らない(58)。この対策として土壌くん蒸剤処理後の散布が推奨されている(19)。Scの製剤が芝草のスジキリヨトウ、シバツトガ、シバオサゾウムシ幼虫を対象に登録されている(39)。芝草のスジキリヨトウに対しては、Scの10×10^4IJ/㎡(100)、20×10^4IJ/㎡(7)、25×10^4IJ/㎡(6)が実用散布濃度とされ、シバツトガに対してはScの25×10^4IJ/㎡の2回施用が有効(23)とされる。Scのハスモンヨトウに対する感染力は20℃半ば(24℃および27℃)で高く、それより高温でも低温でも感染力が低下する(42,47)が、スジキリヨトウでも同じ傾向があり(感染適温23℃~25℃)、32℃では感染死亡率が低下する(100)。Scは甘藷塊根中のアリモドキゾウムシにも感染でき(10)、圃場では6×10^4IJ/㎡の処理で高い殺虫活性が得られた(11)。しかし、Scは芝草のチビサクラコガネには殺虫活性がなく(6)、同様にHh(70)、Sg(7)、Sf(7)もコガネムシ類への感染性が低い。一方、Skはコガネムシ類に特異的に高い殺虫活性があり(59)、施用方法や温度条件は異なるが、圃場試験では10×10^4IJ/㎡(甘藷のドウガネブイブイ(91))、20×10^4IJ/㎡(甘藷のコガネムシ類(85))、10×10^4IJ/㎡(甘藷のコガネムシ類(86))、100×10^4IJ/㎡(芝草のコガネムシ類(57))、50×10^4IJ/㎡(芝草のチビサクラコガネ(8))、100×10^4IJ/㎡(イチゴのドウガネブイブイ(4))で実用的な防除効果が得られている。Skでは圃場への定着、二次感染による感染力の持続、高温域の殺虫活性が報告されている。Scでは土壌中での増殖・定着は困難と見られる(47)が、Skの場合散布圃場で数年間越冬でき、散布の次年度も高い感染性を保つことが報告されている(40,61,84)。Skの感染率が散布後およそ1ヵ月めに顕著に上昇したとの知見もあり、増殖したIJによる二次感染が推察されている(8)。Skの感染適温は20℃~30℃であり(88)、35℃でも感染性は失われない(61)ため、真夏の施用でも安定した効果が得られる(8)。しかし、感染適温の下限はScより高く、17℃におけるシバオサゾウムシを対象とした散布では殆ど防除効果が得られなかった(88)。Skには地下に潜行する性質がある。そのため、圃場試験の表面散布でも潅注処理と同等の効果が得られている(8,61)が、芝草への散布の場合サッチが障壁となって地下への移動は困難であるとする報告(5)もある。移動できず芝の表面に留まったSkの密度は乾燥により急激に低下した(5)。SkはIJが第二世代成虫を経ることなく第一世代成虫から直接生じる(3,59)点で特異的である。Skが湿った土で感染力を低下させずに長期保存できることも報告されている(75,84,91)。

 昆虫病原性線虫と殺虫剤、殺菌剤、天敵微生物(BT剤)、食菌性線虫等の混用による線虫の殺虫力の賦活あるいは病原線虫で防除できない半翅目害虫(28)、植物寄生性線虫(25)、植物病原糸状菌(25,35)の同時防除が期待されている(15)。オキサミル、フェニトロチオン、ダイアジノン、アセフェート、ペルメドリン等の殺虫剤は、水中の線虫の運動を高めることが知られ(18)、芝草害虫を対象とした慣行濃度以下のスミチオンやダイアジノンとScとの混用では相乗的殺虫効果が得られた(6,7,8)。しかし、殺虫剤によって賦活される水中のScの運動は異常行動であり(18)、圃場混用試験で相乗効果をあげた殺虫剤も線虫の感染力を阻害する場合があることが分かった(6,18)。さらに、カルタップ剤および有機リン系殺虫剤のほとんどが100ppmでScに強い毒性を示し、Scの感染力を阻害すること、カーバメイト剤や合成ピレスロイド剤の場合はScに毒性を示さないが、一部にScの感染力を阻害するものがあることが明らかにされた(87)。Scの感染率とSc特有のnictating行動(尾部で立ち上がり、上体を揺れ動かすか直立静止する行動)(14,27)には密接な関係があり(28)、Scがnictateする土壌水分でScの殺虫活性が最も高く(42)、殺虫剤を処理した場合でも、nictateしている線虫の感染率はそうでないものより明らかに高い(28,30)。したがって、殺虫剤とScとの混用の適否や混用可能濃度はScのnictating行動を促進するか少なくとも阻害しないことで決めることができる(21,22,28,30)。アセフェートやペルメトリンの200ppm処理は4日間nictating行動を阻害せず(28)、処理線虫の昆虫侵入率も高い(30)ため、線虫の土壌施用に混用できるものと期待される(24)。Scの茎葉部散布を成功させる鍵となる長時間の高湿度条件は、植物病原糸状菌の感染も助長するため、殺菌剤とScの混用は避けられない(35)。この目的で、22種類の殺菌剤が調査されたが全てScに毒性がなく、その感染力を阻害しないことから、Scと殺菌剤の混用散布が可能と結論された(35)。昆虫病原細菌との混用は否定的である。B.thuringiensis及びS.marcecensとSc(mexican)とをアワヨトウに同時接種しても殺虫活性に相乗効果はない(31)。しかし、BT剤はスミチオン及びScとのローテーション散布で芝のスジキリヨトウ防除に高い効果を示す(8)ので、減農薬の手段としては有効である。菌食性線虫Aphelenchus avenae (Aa)は土壌病原糸状菌の生物防除素材であるが、Scと混用しても糸状菌の防除効果は低下しない(25,29)。しかし、混用はScの土壌害虫防除効果を若干阻害する場合がある(22,25,29)。AaもScも単独で植物加害性のネコブセンチュウのゴール形成を阻害するが、阻害効果はScがAaに勝り、混合施用の相乗効果は認められなかった(25)。

 国内における昆虫病原性線虫の探索の意義は、Skの例(40,61,84)が示すように、施用後の定着と効果の持続、既存の線虫でカバーできなかった寄主に対する殺虫活性、多様な環境条件(主に温度)における殺虫活性等が新しい種や系統に期待できるところにある。Heterorhabditis属線虫の国内初発見(3)に続き、Steinernema属線虫が、国内全域に分布する可能性が高いこと(60,99)、Heterorabditis属線虫は沖縄県を中心に、本州・四国・九州の太平洋岸地域に分布すること(99)等が明らかになった。国内から検出されたScに対しては系統名"Juo"が与えられた(60)。また、各地で検出されたSteinernema属個体群の内のいくつかに新種の可能性があることも示唆された(60)。国内の検出記録からも昆虫病原性線虫が概して粘土質土壌より砂壌土、壌土に偏向して分布していることが分かった(60,99)。

 線虫の感染に関連する生態や機構、共生細菌の性状と機能、寄主昆虫側の防御機構等の解明は、昆虫病原性線虫による生物防除を支える基礎研究と位置づけられる。Scのハスモンヨトウ幼虫の殺虫時間は幼虫が大きいほど長く、飢餓幼虫に対して感染率が高いことが認められた(41,42)。また、Scが自然の開孔部のみならず、クチクラの薄い部分(節間膜、癒えた傷口、反転可能な小嚢)から侵入できることがSEM観察により直接・間接に証明された(43,48)。この経皮侵入は機械的に行われ、それを可能にする機構はIJの運動に関係する角皮基底層および筋肉の発達(49)、頭部が硬くその先端が狭いこと(48)等だと考察された(43,42,48)。ScのIJは寄主昆虫の血清に強く誘引される(37)が、血清中の誘引物質はペプチドと推測され(20)、ScのIJの体表にある刺激の受容体は糖蛋白質だと推定された(38)。共生細菌(Xenorhabdus属)の概要と役割については総説(17)に詳しい。共生細菌への依存度は線虫の種によって異なり、SfやSgは共生細菌だけで増殖できるが、Scは生殖線の発達に寄主の組織に由来する栄養を必要とすることが明らかにされ(46,50)、Scの第一世代から第二世代成虫への発育の切り替えに栄養の一部としての共生細菌の性質の変化が影響していると推察された(45)。利用の観点からは、病原性が強い細菌を寄主探索能力の高い線虫に共生させればより効果的な防除が可能との期待もあり(68)、共生細菌の病原性の解明に関心が持たれる。Skの共生細菌の炭素原の資化性や菌学的性質等は比較した同属の既知の線虫に共生する X.nematophilus の亜種(=種)と異なることが見いだされ(95,96)、X.japonicus (新種)と命名された(63)。その共生細菌は線虫の殺虫活性と同様、ハスモンヨトウに毒性が弱く、ドウガネブイブイに強い毒性を示した(63,95,96)。一方、ScやSf等の共生細菌の毒性はハスモンヨトウに強く、ドウガネブイブイに弱かった(63,95,96)。Scに病原性が異なる菌株を新たに保持させると、その殺虫活性は菌株の病原性に依存して変化した(94)。共生細菌の生化学的性質と病原性との間に関連は見いだされなかったが、Scの共生細菌のⅠ相から選抜した株では、抗菌活性と蛋白質分解能の強さが病原性の強さと関連していた(94)。一方、線虫に侵入される昆虫側には血球による細胞防御系や液性防御系等の生体防御機構を備えている。液性防御系は細胞性防御系と相補関係にあり、中でも異物のメラニン化に関与するフェノールオキシダーゼ(PO)を活性化するプロフェノールオキシダーゼ(Pro-PO)カスケード系が最も重要と見られている(90)。Scの接種はカイコに誘導された抗菌活性を阻害すると同時にPO活性を低下させ(32)、カブラヤガのPro-POカスケード系や細胞包囲化反応も阻害する(89,97)ことが明らかにされた。カスケード系をブロックする物質は蛋白質と推定され(89,97)、共生細菌からではなく、Scから放出されていることが明らかになった(92)。

 活性の高い天敵を必要に応じて供給するために培養法と保存法の確立が要求される(82)。Scにはドッグフードやニワトリ内臓等を用いた確立した培養法があり、その概要は実験書(44)や総説(26)に詳しい。Skの共生細菌 X.japonicus(63)はドッグフードや家畜内臓だけでは増殖が困難でペプトンを必要とする(79)。従って、Skの培養にはドッグフードまたは家畜内臓にペプトンを添加(ドッグフードの場合、ラードも添加)した培地が有効である(73,74,80)。また、可溶性澱粉、D-グルコース、ラード、酵母抽出物、リン酸緩衝液だけの寒天培地でも極めて高い増殖率が得られる(77)。報告はないが、大量培養法の研究も現在進行中であるという(76)。保存法には低温保存、凍結保存、乾燥保存があり、概要は総説等に詳しい(44,81,82)。凍結保存法について、ScおよびSgを20%グリセロールで24時間浸漬し、懸濁液を細いチューブ(φ2㎜~3㎜)に入れて液体窒素で瞬間凍結し、解凍も35℃で急速に行うと高い生存率が得られた(83)という報告がある。

(イ)昆虫嗜好線虫

 マツノザイセンチュウの媒介で知られるマツノマダラカミキリの生殖器に寄生するContortylenchus genitalicola(新種)(54)は、関東以西各地のカミキリから3~38%の頻度で検出されている(56)。線虫は寄主の生殖器に寄生して繁殖する(昆虫寄生期)だけでなく、特定の糸状菌(未同定)を摂食して繁殖でき(菌食期)、昆虫寄生期と食菌期とでは線虫の形態も異なっている(52,53,78)。生活環は食菌期だけでも完結するため人工培養が容易であり、実験的に食菌期線虫を昆虫寄生期へ移行させることもできる(52,53,78)。昆虫寄生期では、寄主の幼虫ステージに交尾した雌成虫が感染し、寄主の生殖原基の成長に同調して成熟、産卵し、四期幼虫が寄主の対外に脱出する(52,53,78)。この線虫感染させると寄主の卵の艀化率や艀化幼虫数は減少した寄生成虫の寿命や産卵数には影響がなかった(55)。

(ウ)絶対寄生性線虫

 ウンカシヘンチュウ(Agamermis unka: 以下Au)は、広島県の自然農法水田(9)や減農薬水田(65)のトビイロウンカ第二世代に70%以上の高率で寄生していることが確認されている。Auの周率寄生が確認された圃場では、無防除にも拘らず坪枯がなかった(65)。解剖学的にみて、Auが寄生した雌ウンカは不妊化すると推察されるので(9)、高率寄生圃場では第三世代のウンカの増殖が著しく抑制されるという(9)。水田の農薬無防除経過年数と本田前の土壌におけるAuの生息密度との間、土壌中のAu密度とウンカヘの寄生率の間にそれぞれ高い相関があり(9)、環境の撹乱に敏感なこと、圃場外からの移入が困難なことが推察される。事実、実験的に調べたAu自身の年間移動距離はせいぜい1m(9)で、Auが寄生したウンカのほとんどが飛翔できない短翅型であった(9)。Auはウンカのみに依存する狭食性天敵であるため、その密度は前年の飛来ウンカ類の密度に依存する(9)。前年にウンカを農薬で防除したり稲作を中断した広島県の水田ではAuのウンカ類への寄生および圃場への定着は確認されなかった(9)。Auを積極的に放飼し圃場生息密度を上げる試みでは、放飼の3年目に高い寄生率が得られた(9)が、寄主探索能力が低い(9)ため、放飼による防除を成功させるには均質散布による多放飼とある程度以上の寄主密度が必要である(9)。Auの密度を維持するため、ヒエウンカ(Auの新寄主(9))を活用した寄主分散が考えられる(9)。そのためヒエウンカの食草のタイヌビエをある程度許容する稲作体系、シコクビエの栽培等を検討する必要も指摘された(9)。

                     (九州農試 水久保隆之)

   文  献

1)阿部芳彦.“ゴマダラカミキリの防除:被害樹への培養物の塗布例”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 109-110

2)阿部芳彦.殺虫性線虫による害虫防除-わが国における最近の研究-.今月の農業.34(11), 36-39(1990)

3)原口直人ほか.“本邦産昆虫寄生性線虫の探索とその生物的防除の可能性”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 10-16

4)原口直人ほか.“昆虫寄生性線虫によるイチゴのドウガネブイブイ幼虫に対する生物的防除法の検討”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 80-81

5)原口直人ほか.“昆虫寄生性線虫Steinernema kushidai、S.glaseriのシバのサッチにおける移動”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 31-35

6)廿日出正美.“芝草害虫の防除”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 90-98

7)廿日出正美.“バイオ殺虫剤による芝草害虫の防除”.バイオ農薬・水産薬の開発と利用.江草周三ほか監修.東京、CMC, 229-237, 1991

8)廿日出正美.“A.昆虫寄生性線虫による芝草害虫の防除”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 138-143

9)日鷹雅、中筋房夫.昆虫学セミナー別巻:自然・有機農法と害虫.中筋房夫編.東京、冬樹社、1990, 293p.

10)井上栄明、上門隆洋.昆虫寄生性線虫Steinernema carpocapsaeのアリモドキゾウムシに対する殺虫性.九農研.54, 116(1992)

11)井上栄明、瀬戸口脩.“アリモドキゾウムシに対する昆虫寄生性線虫、Steinernema carpocapsae の利用の可能性”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 154-159

12)井上平.“アブラナ科の野菜害虫防除への昆虫寄生性線虫の利用”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 77-78

13)石橋信義.線虫利用による害虫防除.遺伝.42(6), 20-24(1988)

14)石橋信義.“昆虫寄生性線虫感染態幼虫の行動”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 22-28

15)石橋信義.“有用線虫による総合防除の可能性”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 133-135

16)石橋信義.“害虫防除試験例・施用例”.有用線虫による病害虫総合防除法の開発.石橋信義編.文部省試験研究(1)研究成果報告書(No.62860006)、1990, 136-159

17)石橋信義.“昆虫寄生性線虫”.バイオ農薬・水産薬の開発と利用.江草周三ほか監修.東京、CMC, 69-75, 1991

18)Ishibashi,N."Integrated control of insect pests by Steinernema carpocapsae". Nematodes and the biological control of insect pests. Bedding,R. et al. ed.Australia, CSIRO, 1994, 105-113

19)石橋信義.“昆虫寄生性線虫の研究と利用の現状および将来の展望”.線虫研究の歩み.中園和年編.つくば、日本線虫研究会、1992, 223-227

20)石橋信義.“Steinernematidae科昆虫寄生性線虫の生理・生態 A.感染態幼虫宿主探索行動”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 16-18

21)石橋信義.“昆虫寄生性線虫と化学物質A.殺虫剤処理による線虫の挙動とニクティティング行動”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 84

22)石橋信義.“VII.有用線虫による総合防除”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 129

23)石橋信義.“B.昆虫寄生性線虫による無農薬ゴルフ場の芝草害虫防除”.有用線虫の探索とその大量生産ならびに施用法のシステム化.石橋信義編.文部省試験研究A(1)研究成果報告書(No.02506001)、1993, 144-145

24)石橋信義.有用線虫による生物的防除-IPMへの道.日線虫学会誌.23, 101-108(1993)

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