◆ダイコンのよくある病害虫と生理障害

 ここに紹介したのは、ダイコンを栽培したとき、よく出る症状で、緑の相談でもよく質問される事項です。いずれにしろ、連作を避け、よく耕したよい土づくりをする事が基本です。
《病害虫》
 病害虫名     症      状   防除と対策
 軟腐病 首・肩の部分が悪臭を放って腐敗してくる 窒素を控える。傷をつけない。通風をよくする。
 バーティシリウム黒点病 輪切りすると皮の下に黒点が密集しリング状になる。重症の時は葉が簡単にとれる。 連作を避ける。食用にするには問題ない。
 ダイコンバエ 根にミミズが這ったような食痕が残り、比較的傷が深い。 播種時にダイアジノン粒剤をまく。
 キスジトビハムシ 皮がさめ肌状鉛筆でさしたような筒孔上食痕が残る。 播種時にダイアジノン粒剤をまく。食用にできる。
《生理障害》
 障害名  原因と症状  対策
 抽台(とう立ち) 12℃以下の低温に合うと花芽ができ、その後の高温長日下でトウがたつ。 春ダイコン時に注意。マルチなどで地温を上げる。
 曲がり 土が浅く下に硬い盤があったり、強風などで発症。 よく耕す。風当たりを緩和。
 また根 土に塊や石、未熟堆肥、化学肥料などがあって、障害を受けたとき発症する。 障害物の除去。よく耕す。
 ス入り 主根の肉質部が白く見え、フェルト様の食感になる。一種の老化現象。 適水分。適期収穫。
 アミ入り 皮の内側が網状に硬くなる。播種30日以降の肥大期の高温乾燥による。 土づくりに注意を払い、乾燥を抑える。
 空洞症 ダイコンの内部が空洞になる。高温、多肥で出やすい。 多窒素を避け、急激な肥大を抑える。

引用:(財)札幌市公園緑化協会 豊平公園緑のセンター 「緑のセンターだより」2001年8月号