作物名
キュウリ
一般名称
落下傘葉
学術名称
カルシウム欠乏症
症状
落下傘葉は株の上〜中位葉に発生する。土耕栽培の場合には、一般的に、障害葉は全く変色せず、葉縁部のみが下方に湾曲し、あたかも開いた落下傘のようになる。場合によっては葉縁が上向きに湾曲し、カッピング症状を呈することもある。
水耕栽培などで、カルシウムの供給を止めると葉脈間にも白色斑点を生じる。甚だしい場合には、生長点がえ死して芯どまりを起こす。
発生条件
本障害の発生原因は、植物体分析や水耕での再現試験から、カルシウム(石灰)欠乏であることが明らかにされている。しかし、障害の発生には、土壌中のカルシウム不足だけではなく、土壌の乾燥やアンモニア態窒素の集積、塩基のアンバランスあるいは気象条件(低温)などが関与しているものと考えられている。
対策
窒素の過剰施用を避けることや塩基バランスの改善、土壌の乾燥を防ぐことなどが必要となる。また、障害が発生した場合には、応急的に塩化カルシウムの0.3〜0.5%液などの葉面散布を行う。
しかし、葉面散布を実施しても障害が発生した葉の症状が回復することはほとんどなく、以後展開してくる葉への防止効果が主目的となる。
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