作物名
トマト
一般名称
尻腐れ果
学術名称
症状
果頂部が水浸状となり、次第に暗褐色となって陥没する。障害果は正常な果実よりも早く着色しやすい。
発生条件
カルシウムの移行が悪い果実で発生しやすい。土壌中にカルシウム(石灰)が不足している場合だけではなく、カルシウム量は充分あるが、作物が吸収しにくい状態である場合にも発生する。
作物のカルシウム吸収を抑制する原因としては、土壌の乾燥やアンモニア態窒素の過多などがある。土壌中のカルシウム含量は充分でも、アンモニア態窒素やマグネシウム(苦土)などが過剰に蓄積していると、カルシウムの吸収が抑えられて欠乏症が発生しやすくなる。
また、作物に吸収されたカルシウムが体内で硝酸態窒素から生成されたシュウ酸と結合してシュウ酸カルシウムとなって沈着し、果実への移行が悪くなって発生するという説もある。
対策
多肥栽培を避け、土壌診断に基づく適正施肥を行う。
定植前に土壌pHを測定し、pHが低い場合には石灰質資材を施用する。アンモニア態窒素やカリウムなどの肥料成分とのバランスに留意する。また、土壌の過乾燥を避け、適切な水分管理を行う。
応急的には塩化カルシウムの0.2〜0.5倍液を葉面散布する。市販の葉面散布用のカルシウム資材でも良い。症状が発現した果実が回復することはないので、障害果をなるべく早く摘除する。
|