コムギ 黒節病 (Bacterial black node)

病原: Pseudomonas syringae pv. japonica (Mukoo 1955) Dye et al.1980

病徴:オオムギ,コムギの葉,葉鞘,節,稈および穂に発生する。オオムギの葉では,はじめ水浸状の線状病斑を生じ,葉脈に沿って広がり,濃褐色または黒色の条斑となる。葉鞘では葉脈に沿って黒褐色の長い条斑を生じ,これが葉にまで連続する場合も多い。
稈では節の部分が濃褐変し,節の上下に黒い条線がのび,これより上の部位では生育が劣ったり,枯死することもある。穂が感染するといわゆる穂焼症状を起こす。コムギでは節が侵される症状が多い。また一般に症状はコムギよりもオオムギの方が激しい。

伝染:病原細菌は気孔から侵入,柔組織の細胞間隙中で増殖し,維管束は侵さない。種子では穎の気孔から侵入し,その柔組織の間隙中で増殖し,種子伝染する。
病原細菌は乾燥条件に極めて強く,被害ワラでは1年以上,種子では約5カ月間生存し,土中での越冬も可能である。伝染経路については不明な点が多いが,汚染種子による一次伝染が重要であるとされている。
暖冬で経過し,その後植物体に傷害を与える寒波が襲来した後に発生が多い。

防除:健全種子および抵抗性品種の利用,被害稈の焼却処分,不耕起栽培,早播き,密播を避ける。また激発した圃場では,1〜2年ムギ類の栽培を控える。 

参考: コムギ 黒節病 - 日本植物病名データベース

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