トマト かいよう病 (Bacterial canker)

病原: Clavibacter michiganensis subsp. michiganensis (Smith 1910) Davis et al. 1984

病徴:葉,葉柄,茎,果実,果梗,がくなどあらゆる部分を侵す。 内部組織(維管束,ずい等)を侵す場合と,植物体表面に小斑点を生じる場合がある。 はじめ下葉が葉柄とともに垂れ下がり,葉縁は巻き上がり,先端から萎ちょうする。
葉脈間は黄変し,ついには葉全体が褐変枯死する。茎などに褐色のえ死部や葉柄が裂開することもある。茎,葉柄,がく,果柄,果実に白色〜褐色のやや隆起したコルク状小斑点をつくる。果実の表面には直径2〜3mmの鳥目状斑点となることがある。

伝染:本病は土壌伝染と種子伝染を行う。種子伝染は種子維管束部または種子の表面に付着して生存し,採取後1年半以上生存できる。本菌は土壌中で生存し,摘芽,風雨,潅水などによって2次伝染する。発生は25〜28度で多く,盛夏期の高温時には病勢が停滞する。

防除:健全種子を用いる。 場合によっては,市販種子を55度の温湯に25分間浸漬消毒する。 床土は蒸気消毒またはクロルピクリン剤消毒を行う。
栽培に使用する資材はホルマリン液を散布するか,クロルピクリン剤で処理し,ポリエチレンで被覆後数日間放置する。第2次感染の防止は4ー4式ボルドウ液および銅水和剤を散布する。摘芽は晴天日に行い,病株は見つけ次第処理する。

参考: トマト かいよう病 - 日本植物病名データベース

かいよう病(茎):茎の表面は褐変し,茎を裂くとずい部が淡褐色に変色し,粉状となる。

かいよう病(果実):果実はケロイド状に褐変する。

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