ナス 灰色かび病 (Gray mold)

病原: Botrytis cinerea Persoon : Fries

病徴:主に果実に発生するが,茎,葉なども侵される。 果実でははじめ褐色,水浸状の小斑点を生じ,拡大して少しくぼむ。 次第に暗褐色になり,表面に灰色のかびを密生する。激しいときはがくや果梗まで侵される。幼果では肩の部分に発生することが多い。葉にはかなり大型の茶褐色,円形〜不正形の病斑を生じ,その上に灰色のかびが密生する。葉柄,茎にも大型の褐色病斑をつくる。
伝染:病原菌は罹病茎葉や,菌核で越年し伝染源となる。 発病後は病斑上に多数形成される分生胞子の飛散によって周辺株にまん延する。開花後の花弁を足がかりとして侵入するため果実の被害が大きい。発病適温は20度前後,多湿条件下で多発する。ハウス栽培では2〜3月頃の多湿,5〜6月頃の降雨時に多発する。
防除:多湿を防ぐため換気を行い,潅水に注意する。 開花後の花弁が感染源になるので,受精後の花弁の抜き取りを行う。 病果は見つけ次第除去し処分する。薬剤は,ロブラール水和剤,スミレックス水和剤,ロニラン水和剤,トップジンM水和剤,ベンレート水和剤またはダコニール水和剤などが有効。なお耐性菌出現を防ぐため,同一系統薬剤の連続散布を避ける。

参考: ナス 灰色かび病 - 日本植物病名データベース

灰色かび病(果実):果実の先端の花柱から灰色のかび(分生子)を密生して腐敗する。

[ナス病害 一覧]   [有用植物病害診断トップ]

Copyright (c) 2002- NARO