キュウリ 疫病 (Phytophthora rot)

病原:Phytophthora melonis Katsura
病原:Phytophthora nicotianae van Breda de Haan var. parasitica (Dastur) Waterhouse

病徴:茎,葉,果実,および根が侵される。 茎の地際部が水浸状に軟腐し,くびれて倒伏する。根が侵されると褐変,腐敗し,病状が進むと株全身で萎ちょうし枯死する。 葉では暗緑色で大型の病斑ができ軟腐する。 果実には水浸状の病斑ができ,その表面に白いかびが生える。そして,1から2日中に果実全体が軟腐する。

伝染:本病菌は土壌伝染する。水媒伝染も行うため,礫耕,水耕栽培では注意。また,潅水や降雨時の飛散に注意。排水不良,過湿土壌で発生し,土壌pH5〜6で多発する。発病適温は24度付近である。

防除:排水に注意し,潅漑水は井戸水か上水道を用いる。 敷わらやビニールマルチで地面からの病原菌の跳ね返りを防止する。 キュウリ疫病はカボチャ台へ接木すると回避できる。 が,灰色疫病を起こすPhytophthora capsiciはカボチャに強いが病原力を示すので灰色疫病の発生地域では,安全ではない。
薬剤は植え付け前のクロルピクリン剤による床土の土壌消毒,臭化メチル剤によるハウスのくん蒸処理が有効。 発病株には,パンソイル乳剤,ダイホルタン水和剤の潅注,地上部にはジマンダイセン,ユーパレン,ダコニール,メルクデランK,有機銅水和剤などの予防的散布を実施する。

参考: キュウリ 疫病 - 日本植物病名データベース

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