タマネギ べと病

病原:Peronospora destructor (Berkeley) Caspary

病徴:秋に感染した全身感染株では,葉が淡黄緑色になり湾曲する。温暖多湿条件では全身に白色でツユ状または暗紫色のかびを生じる。二次感染株では葉,花梗に長卵形から楕円形の黄色い大型の病斑を形成し,多湿時には病斑上に白色または暗紫色のかびを生じる。
伝染:本病菌は土壌中卵胞子で生存し,10〜11月頃に雨滴などで葉上に伝播する。 株の生長点に侵入した菌糸は葉の伸張とともに株全体にまん延して枯死する場合と,保菌越年罹病株となり春季の2次感染の原因となる。 また,ワケギやネギにも越年罹病株があり伝染源となる。春先の2次感染は気温が15度,多雨で多発し,とくに4月中旬〜5月上旬の曇雨天は発病を助長する。
防除:病葉は焼却するか土中深く埋没する。 床土にはネギ,ワケギ,タマネギの栽培歴のない土を使うか,クロルピクリン剤などで消毒する。秋季発病株や越年罹病株は抜きとり処分する。本圃での発病株では摘葉または株を抜きとり焼却し,薬剤散布を行う。散布薬剤はジマンダイセン水和剤またはダコニール水和剤を用いる。

参考: タマネギ べと病 - 日本植物病名データベース