イチゴ 疫病

病原:Phytophthora cactorum (Lebert et Cohn) Schroeter
病原:Phytophthora nicotianae van Breda de Haan var. parasitica (Dastur) Waterhouse
病原:Phytophthora sp.

病徴:育苗期に発生し地際部から出た根が褐変し,根全体,葉柄に進展し全身が萎ちょうし立枯れる。地際部では内部に向かって褐変が進み空洞化する。葉では黒褐色で紡錘形から楕円形でくぼみのある病斑を形成し多湿時には急速に拡大し,暗褐色で不正形の病斑になる。

伝染:本病菌は土壌伝染および空気伝染すると推定される。被害株の組織内に形成された卵胞子が土壌中で越夏し,8〜9月の高温・多雨期に発芽して遊走子を放出し,これが根冠部等から侵入して第1次伝染を起こす。 その後の第2次伝染は,大1次伝染で発病した株に形成される遊走子のうが主体となり,降雨時または灌水時飛散等により伝染してまん延すると考えられる。

防除:採苗や育苗は無病地を選定して実施する。低湿地では高畦等圃場の排水に留意する。発生の危険がある圃場では作付け前にクロルピクリン剤による土壌消毒を行う。発生初期のダイホルタン水和剤,キャプタン水和剤の灌注も有効と考えられる(本病には未登録)。 また,被害株の早期発見,早期除去につとめる。 

参考: イチゴ 疫病 - 日本植物病名データベース

疫病(クラウン):クラウンを切断すると内部が褐変している。