病徴:葉色が濃くなり,株全体が萎縮して分げつ数が多くなる。葉は短く,やや硬い感じがする。葉脈に沿って白色ないし乳白色の斑紋が線状あるいは点線状に1枚の葉に数条現れるので,かすり状あるいは縞状に見える。
早く発病した株は出穂することはない。遅く発病した株の穂は出すくんで奇形となり,不稔が多くなる。
伝染:第1次伝染源は前年秋羅病イネを吸汁してウイルスを獲得したツマグロヨコバイ幼虫。イナズマヨコバイ,クロスジツマグロヨコバイによっても媒介される。
第2次伝染はツマグロヨコバイが羅病イネを吸汁するとウイルスを獲得し,潜伏期間を経てからウイルスを媒介する。ツマグロヨコバイ幼虫はおもに休閑田,畦畔,堤防などで越冬する。
越冬幼虫が羽化して,第1回成虫となりそこで産卵,羽化して第2回成虫となる。第2回成虫がウイルスを媒介する。早期栽培で多発しやすい。不耕期休閑田はツマグロヨコバイの生息・越冬場所として好適である。
冬期耕起すればツマグロヨコバイの生息場所が失われるため,隣接水田の発病は減少する。窒素肥料の多用は発病を助長する。
防除:防除は,媒介昆虫であるツマグロヨコバイの防除が基本となる。耕種的防除は,休閑田の耕起のよる越冬幼虫密度の低滅,罹病株の早期除去,常発地では作期の移動を行う。薬剤防除は,媒介昆虫であるツマグロヨコバイを対象に行う。
移植直前の育苗箱施薬は,アドバンテージ粒剤,アドマイヤ箱粒剤,オンコル粒剤,カヤフォス粒剤が有効である。
散布剤は,アッパー粉剤,アプロードバッサ粉剤,アドマイヤー粉剤,同粒剤,エルサン粉剤,オフナックM粉剤,オフナックバッサ粉剤,同乳剤,ジメトエート粒剤,スミバッサ粉剤,ダイアジノン粒剤,ツマサイド粉剤,同乳剤などが有効である。
参考:
日本植物病名データベース