ナシ病害発生予察モデルの概要

気象データによる“葉の濡れ”の推定

ほとんどの植物病原菌で感染の進行に水分が必要条件となるため、病害発生予察モデルの多くでは「葉の濡れ時間」が入力データとして用いられます。 しかし、通常得られる気象情報を利用して病害発生予察を行う場合には、他の気象観測要素から「葉の濡れ時間」を推定する必要があります。
千葉農総研のナシ試験樹園内における濡れセンサ設置状況
平板電極型(Campbell社製)   シリンジコイル型(自作)   湿度センサ応用型(自作)

湿度センサ応用型濡れセンサ: 特許第3783028号「濡れ状態計測装置」(農研機構)
※濡れセンサは、一般的なデータロガーのほか フィールドサーバ にも接続可能

条件1 1. 現時刻あるいは過去3時間以内に降雨がある。
2. 0~6時の時刻に1.の条件であれば、6時まで濡れが継続する。
条件2A湿度90%以上である(結露の発生)。
条件2B0~6時の時刻に湿度90%以上である。
 適用時期“葉の濡れ”の推定条件
4月1日~5月15日条件1 あるいは 条件2A
5月16日~6月30日条件1 あるいは 条件2B
7月1日~条件1 のみ
AMeDASの時別データのみを利用して病害発生予察モデルを実行する必要があるときに有効。
長野県で開発された「リンゴ黒星病発生予察情報提供システム」にこの方法が使われている。
詳しくは、平成12年度研究成果情報(長野県農業総合試験場) を参照。
  時刻 “葉の濡れ”の推定条件
1. 7~20時(昼間)現時刻あるいは過去2時間以内に降雨がある。
2. 20~7時(夜間)降雨があれば、7時まで濡れが継続する。
Surface Wetness Energy Balance (SWEB) model (Magarey et al., 2003)
気温、降水量、風速、湿度、日射量から葉の濡れ程度を推定するモデル。
詳しい解説は、The Leaf Surface Wetness Duration Home Page を参照。

SWEBモデルのデモ (Java Applet)


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