野菜生理障害事例検索システム

このデータベースシステムは、農業関連の研究者・普及員・生産者を対象に、
野菜に発生した生理障害に関する事例情報の相互利用促進を目的として、
各個人、各機関が所有する情報を公開、共有できる場を
ウェブアプリケーションサイトという形で提供するものです。


植物の生理障害とは

 植物における「生理障害」(physiological disorders) とは、養分(肥料)や水分の過不足、温度や日射等の環境条件の不適合などが原因となり、植物体に何らかの生理的な悪影響が現れる現象をいいます。しおれる、葉が枯れる、花が落ちる、果実が壊死するなどの症状があります。
 Wikipedia英語版での解説:Physiological plant disorders
 養分の過不足が原因の場合は、特に「栄養障害」ともよばれます。その診断については、例えば 目で見るトマトの栄養障害(北海道原子力環境センター) に詳しい解説があります。

 生理障害は軽微な段階で気付けば、施肥やかん水を増減したり換気や保温をしたりするだけで回復できることが少なくありません。しかし対処が遅れた場合は、土壌の塩類集積や構造悪化などが進行して慢性的に回復が困難になることもあります。
 生理障害の症状は病害や害虫の被害と似ていることがよくありますが、対処法は全く異なります。もし病害虫と間違えてしまった場合、農薬の散布を行っても効果がないだけでなく、さらに栽培環境を悪化させることになりかねません。そのため、作物の栽培において生理障害を診断する知識はとても重要になります。

システムの利用手順

 生理障害情報の検索を簡単に行うには、トップページ の「作物病害虫・生理障害 検索エンジン」のフォームに任意のキーワードを入力して“検索”ボタンをクリックします。このとき、病害虫の情報もあわせた検索をすることができます。

 本システムのメインの機能となる「作物病害虫・生理障害 検索エンジン」では、作物の生理障害および病害虫に関する全国各地のデータベースやWebサイトを、対象作物や発生原因のほか任意のキーワードやフレーズの入力により、一括して検索できます。 検索結果からのリンクで閲覧できる個別情報のページには、生理障害や病害虫の発生状況、症状、原因、対策などの記述があり、その中には画像や診断分析データが付属しているものもあります。
 この検索エンジンについて詳しくは、システム検索方法 をご覧ください。

 できるだけ多くの方に利用していただけるよう、このサイトはリンクフリーとしています。ただし、リンクをはる場合は必ず トップページ にお願いします。

 その他ご意見、ご質問がありましたら、システム管理者(sugak@naro.affrc.go.jp) までご連絡ください。なお、このサイトへのリンクをはる場合、あるいはデータを転載・引用したい場合にはご一報いただければ幸いです。

 このシステムの利用による結果として生じた不利益については、システム管理者ならびに各データベース作成者は一切の責任を負いませんのでご了承ください。

 以上、詳しくは システム利用案内 をご参照ください。


システムの概要

 近年、農業では環境負荷を低減する生産体系が求められており、特に養分管理の適正化は重要な課題となっています。各地で養分投入低減のための取り組みや技術開発が進められていますが、生産現場での合理的な実践のためには、情報通信技術(ICT)の活用が重要なカギとなると考えます。

 ICT化の目指すところは、栽培環境や作物生育などの情報を収集・蓄積するとともに、それら多様で複雑な情報の統合的な解析・評価を行い、地域あるいは圃場ごとに適した管理体系を構築できるようにすることです。 特に、有用な情報や知識を潜在的に持っているのは生産者であることからも、ICT化と並行して、生産者、普及員、研究者が連携して互いに情報を提供し利用することができるネットワークシステムづくりが必要です。

 作物の生理障害は土壌診断や栄養診断を行う動機でもあり、全国各地で生理障害の事例や診断データが収集されてきましたが、これまでは多くの場合、それらの情報を利用できるのは地域の関係者だけという状況でした。
 そこで、生理障害に関する情報を共有する場としてWWW上にデータベース検索サイトを立ち上げ、さらに生理障害データベースを有する各機関の協力を得て、それらを一括して検索できる検索エンジンを作成しました。また、登録ユーザになることで新規にデータを登録することも可能にしました。

 現在はさらに、生理障害だけでなく病害虫情報のデータベースとの連携も進めています。もし本システムの趣旨に賛同いただけましたら、システムの運営やデータの収集にぜひご協力よろしくお願いいたします。

 本システムについて詳しくは、利用案内 のほか、次の資料もあわせてご覧ください。
  ◇ 作物の病害虫・生理障害の情報を検索できるWWW検索エンジン
  ◇ WWWによる野菜生理障害データベースの利用 (英語版)


本システムに関するお問い合わせは、システム管理者まで。
菅原幸治
Twitter: @agrisearch  E-mail: koji.sugahara@gmail.com

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