トマト モザイク病 (Tomato mosaic)

病原:Cucumber mosaic virus (CMV)
病原:Tobacco mosaic virus (TMV)
病原:Chrysanthemum mild mottle virus (CMMV)
病原:Potato virus X (PVX)
病原:Potato virus Y (PVY)

病徴:葉にモザイクと全身的な萎縮を生じる。 糸葉など奇形を生じたり,葉,葉柄,茎,果実などにえそ斑点またはえそ条斑を形成することがある。また,萎ちょう症状を呈することもある。
TMVによる場合は,葉にモザイクを生じ,葉の先端が細くなることがある。茎,葉,果実にえそを生じることがある。季節により萎ちょうを生じることもある。
PVYの単独感染の場合は,軽微なモザイクあるいは無病徴であるが,系統によっては葉脈や茎にえそ症状を生じる。
CMVによる場合は,葉にモザイクを生じ,新葉が糸葉となり,激しく萎縮することがある。

伝染:TMVは接触伝染が強く,移植,摘芽,摘心,誘引,収穫などの栽培管理の際に伝染する。本病は種子伝染するが発病率は2〜3%である。また本病は土壌伝染する。
農具,資材,衣服などに付着して伝染する場合があるが,喫煙者の手による伝染はそれほど多くないといわれる。
PVXはTMVと同様接触伝染がかなり強い。伝染源は主としてジャガイモと考えられる。種子伝染や土壌伝染は認められていない。
PVYはジャガイモやタバコが伝染源とみられアブラムシにより伝搬される。
CMVはキュウリの項を参照
CMMVはアブラムシにより伝搬される。キクの発病株が伝染源と考えられる。アブラムシの飛来が多いとき多発生する。

防除:TMVの防除は健全種子をとることが大切。
種子消毒は第3リン酸ソーダ10倍液20分間浸漬,または,70度3日間の乾熱種子消毒を行う。
床土は臭化メチル剤で土壌消毒する。農具や資材の消毒も同様に行う。連作を避け,2年間以上の輪作は行うか抵抗性品種を利用する。作業前後の農具や手の消毒,病株の早期発見,抜きとり,焼却処分など2次伝染を防ぐ。最近では弱毒ウイルスによる防除効果が確認されている。

参考: トマト モザイク病 - 日本植物病名データベース

モザイク病(果実):TMVの系統により果実に「えそ」を生じることがある。

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